今年度、新任教員として音楽の會田先生が郡山北工業高校に着任されました。
　會田先生は過去に講師として、いわき光洋高校・磐城高校・いわき翠の杜高校で計２年間、勤務しておりましたが、今年度、福島県の教員として正式に採用された先生です。

　初任の先生は法律で「初任者研修」という研修を受けなければならない決まりがあります。この日は福島県教育センターから指導主事（先生の先生みたいな方）が来校し、會田先生の授業を参観しました。

　この日は電気科の１年生に日本の伝統的な楽器「筝」の演奏の仕方を教えるという授業。先生自身はピアノや合唱が専門なので、「筝」は学生の頃に、少し触った程度だったそうですが、この日の授業のために練習してきました。
　生徒たちは音楽の先生はどんな楽器でも弾けると思っているかもしれません。でも実際、そんな先生はいません。生徒たちが見えないところで練習しているのです。
　校長先生や指導主事の先生方が参観していましたが、會田先生はいつもと変わらず、しっかり授業を進めました。緊張していたのは生徒たちの方でした。
　今回は研修で忙しい中ではありますが、會田先生に時間を頂戴しインタビューしてみました。

------お疲れさまでした、どうでしたか？
　緊張しました。とりあえずホッとしています。力不足を感じました。
------まだまだ研修は続きますね。
　はい、がんばろうと思います。
------先生のご出身はどちらですか？
　いわき市です。海の近くです。
------というと・・震災の時は・・・
　小学生でした。家の200ｍ先まで津波がきました。大きな被害はなかったのですが、一時、原発の問題で那須の体育館に避難しました。今でも地震の警報音はトラウマです。
------お辛い思い出を聞いてしまいましたね。失礼しました。子供の頃はどんな子でした？
　恥ずかしがりやであまり人と話さないタイプでした。
------先生のご専門はピアノとお聞きしましたが。
　ピアノは３歳ぐらいから音楽教室に通っていました。いつの間にかやっていたという感じでした。ピアニストになろうと思っていました。
------他に習い事は？
　プールに通ってました。０級（全部泳げる）までちゃんとやりましたよ。
------中学生になってからは？
　全員で120人ぐらいの小さい学校だったので、女子が入部できるのはＪＲＣ、ソフトテニス、ソフトボールの３つだけでした。ＪＲＣに入部して部長でした。この頃は、音楽関係の仕事に就ければなあ、ぐらいの漠然とした将来の目標でしたね。
------部長ですか。恥ずかしがりやさんから抜け出しはじめましたね。
　そうですね、少しずつ。高校生になって完全に抜けました（笑）
------高校生活は楽しかったですか？
　合唱部づけでした。ソプラノパートを主に担当していました。音楽教室にも通いピアノも続け、この頃から将来は、ピアノか音楽の先生になりたいと思うようになりました。それで大学に進学して音楽をもっと勉強しようと決めました。
------大学入試はどうやって？
　公募推薦です。歌とピアノの試験がありました。どちらも好きだったので、いつも通りやったら受かりました。
------それはすごいですね。大学生活は？
　とても楽しかったです。演奏会を仕切ったり、合唱団に入ったり、楽しい思い出ばかりです。高校の音楽の先生になろうと決意したのもこの頃です。
------教員採用試験はどうでした？
　大学４年生の時に１次試験は合格しました。試験の内容の教職教養、楽典、音楽史、音楽の指導要領等々、実技試験のピアノも合唱もどれも好きな内容だったのであまり苦になりませんでした。周りの人からは変な人だねって言われますが（笑）
------２次試験は残念な結果となったわけですが、落ち込みませんでしたか？
　不思議と心が折れることはありませんでした。負けず嫌いな性格のせいなのかな？諦めなかったです。
------２次試験対策はどうしました？
　講師をさせていただいていたので、当時勤務していた先生方に小論文の添削や面接、模擬授業を何度も見ていただきました。
------大学を卒業し、講師として教員デビューをしたわけですが、どんなふうに感じましたか？
　音楽の特性かもしれませんが、「楽しむ」ことと「学ばせる」ことの違いに戸惑いました。その点は非常に難しいし、今でも課題です。
------講師２年目に、２次試験にも合格したわけですが・・・
　嬉しかったのと同時に、お世話になった他の先生方に合格の報告を伝えることが出来て良かったです。
------今年度から郡山北工業高校で勤務することになりましたが、本校の生徒の印象はいかがですか？
　生徒たちがみんな元気が良くて、楽しいです。
------これから教員を目指す人にメッセージを
　がんばれ！！！
------會田先生、本日はお忙しい中、ありがとうございました。

　新任の先生の研修とインタビュー内容を掲載しました。教員はブラックブラックと巷で話題になっていますが、とても楽しく教員生活を始めた先生が本校にはいます。
　今はまだ知らないだけで、多くの問題に立ち向かわなければならない時もきっとでてくると思います。その時は、教員生活を始めた頃・・・を思い出してほしいなと思います。